市立加西病院
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広報かさい

平成27年6月号掲載

皮膚科診療

夏に多い皮膚トラブル

皮膚科を受診される患者数は、7~8月が多く、冬期に比べて2倍近い人数です。夏休みで子どもが受診しやすいのもあるでしょうが、加西病院だけではなく、開業医でも同じようです。夏期は、皮膚科を受診しても待ち時間が長いと感じた患者さんも多いと思います。

つまり、皮膚のトラブルは夏期に多いと言えます。あせもができた、虫に刺された、とびひにかかった、水虫をうつされたなど、思い当たる節がたくさんあると思います。暖かくなる時に自然は活発に動きだします。虫もたくさん増え、ばい菌やカビも繁殖します。反対に、夏バテしている人や動物もたくさんいます。夏バテすると体の抵抗力が落ちます。皮膚は外部から体を守っている人体最大の組織なので、抵抗力が落ちると勢いを増したばい菌やカビに負けてしまいます。また、体の調節機能も落ち、汗や体温の調節ができずに、あせもや湿しんがおこりやすくなります。

トラブルを防ぐ最良の方法

トラブルを防ぐ最良の方法は、トラブルを知り、その原因を知り、予防することにあります。まず、きちんと食事を摂る、お風呂に入って清潔にする、夜はしっかりと眠るといった基本的な生活習慣を崩さないようにしましょう。当たり前のことですが大事なことです。

そして原因を知れば、対策を立てられるようになります。例えば「虫に刺されない」なら、虫がたくさんいそうな所には近づかない、虫除けスプレーをする、溝掃除や草引きをして虫を減らすといったことを思いつくことでしょう。「水虫にかかるのを防ぐ」なら、足をよく洗う、家族みんなで水虫の治療をするなど、病気に詳しくなればいくつも対策を立てられます。

病院や診療所は、病気を治すだけでなく、病気について広く伝えること、予防することも使命ですから、患者さんの助けになるような資料をいくつも用意しています。医師や看護師の助言、テレビや新聞の健康コーナーも、参考にしてください。

塗り薬は塗り心地が大切

皮膚科といえば塗り薬です。正式には外用薬や外用剤と言います。「軟膏」、「クリーム」、「液剤」が多く処方されます。「軟膏」は白みのある透明なアブラで、ネバッとしています。「クリーム」は白くてサラッとしています。「液剤」は水みたいな液や、少ししっとりした乳液があります。それぞれ特徴も欠点もあり、目的を持って処方されます。基本は軟膏ですが、夏はネバネバして嫌という経験をされた人も多いでしょう。そういう時はクリームや液剤を使いますが、少しの傷でも染みて痛くなりがちです。反対に冬はクリームや液剤だとカサカサして合わない人もいます。

塗り薬は効き目も大事ですが、実際に塗れるかどうかが最も重要です。塗りにくい、あるいは塗れないとなると、本末転倒です。自分には合わないと思ったら遠慮なく医師に告げましょう。同じ薬を、軟膏からクリームに変えるだけで、驚くほど良くなったという場合は多くあります。皮膚科の医師は塗り心地を大切に考えています。患者さんのご意見・ご感想を待っています。

(皮膚科部長 田中将貴)