市立加西病院
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広報かさい

平成28年9月号掲載

子育てのお話「お父さん、お母さん、何を目指して子育てに励んでおられますか?」

一人前の社会人に育てるには『躾(しつけ)』が大切

子育て真最中のお父さん、お母さんだけでなく、子育て経験者や将来子育てをされる予定の方に質問です。「何を目標に子育てをされていますか?されましたか?されるおつもりですか?」

この問いに対する私なりの答えは、“子どもを一人前の社会人に育て上げること”です。ここでいう“一人前の社会人”とは社会の中で他人とうまく付き合い、仕事や家事をこなし、経済的に自立した生活を送る家庭を築いていける人のことを指しています。

そういう人になるためには、生まれた時から十分な愛情を注いで、子どもの心と身体に「安全感・安心感・信頼感」を育てて心と身体の健全性の基盤を作り上げることが必要です。この役目を担うのは主に母親です。父親の役割はと言いますと、当初は頑張る母親のサポート役です。そして子どもの成長に伴って、社会のルールを守られるように善悪の判断、協調性、責任感、我慢・忍耐、情緒の安定などを身に着けさせる役目が父親なのです。

そして、これらの課題を身に着けさせる手段が『躾(しつけ)』ですし、子育てをする親はこれらの内容を『躾る』ことが義務であると認識してください。

子どもの問題には大人に原因があります

子どもによる家庭内暴力、学級・学校崩壊、少年非行・犯罪が話題となっていますが、そのようなニュースが流れるたびにその子の発育歴、すなわち親の『躾』を含めた子育てが注目されます。

問題を引き起こす原因として、「近年の核家族化に伴い、助言者として存在した大家族での祖父母たちの不在」「少子化に伴い兄弟間で協調したり我慢したりするなどの経験不足」「他人の子どもでも悪さをしたら叱り飛ばす近所の大人の存在とそれを普通のことと思っていた地域の子育て力の低下」などが言われています。

そのために“十分に『躾』をできる能力がなく、一人前の社会人のレベルに達していない”大人が作り出されていると考えられます。

社会人として生きている親の後ろ姿を見せること

ここまで『躾』、『躾』と言ってきましたが、『躾』に必死になりながら子育てをする方はいません。それでも多くの場合、子どもは“一人前の社会人”に育ちます。

よく「親の背中を見て育つ」と言われます。職場や地域で周囲の人と問題なく付き合いながら通常の社会生活ができる親であれば、必死でわが子を『躾』しなくても子どもはいつの間にか“一人前の社会人”になってくれます。しっかりと「親の背中」を見せてあげてください。

“こどもを一人前の社会人に育て上げること”が親としての義務であることを忘れないでください。それを果たすための、『躾』と“社会人としてちゃんと生きている親の後ろ姿を見せる”ことを今一度考えてください。

子育てで悩まれている方は保健師や小児科医に相談を

子育てはいろいろと大変です。しかし、「大変だけど楽しい」と思い子育てをしている場合は、間違いなく子どもは“一人前の社会人”に育ってくれます。

もし、「楽しくない」と悩まれることがあれば市の保健師や掛かりつけの小児科医に相談してください。「楽しくなければ子育てではない」と覚えていてください。

(小児科 水戸 敬)